『1971:その年、音楽が全てを変えた』Apple TV+

アップルによる配信サービスのApple TV+で、音楽ドキュメンタリー『1971:その年、音楽が全てを変えた』を観た。
これは1971年の音楽シーンにスポットを当てた、全8回に及ぶドキュメンタリー作品。
1971年はベトナム戦争の最中であり、文化的にも大きな動きのあった時代。
ビートルズが解散した翌年であるこの1971年、ジョン・レノンはアルバム『イマジン』をリリース。
その他、マーヴィン・ゲイ『ホワッツ・ゴーイン・オン』、キャロル・キング『つづれおり』、ジャニス・ジョプリン『パール』、レッド・ツェッペリン『Ⅳ』、ジョニ・ミッチェル『ブルー』、フー『フーズ・ネクスト』、スライ&ザ・ファミリー・ストーン『暴動』、ローリング・ストーンズ『スティッキー・フィンガーズ』や、それ以外にも多数の名盤がリリースされている。
ポップ・ミュージック黄金期ともいえる時代だ。
そんな時代の1年を描いた作品。



僕にとっては80年~90年代が、最もリアルタイムで音楽をよく聴いた時代。
だが、最も音楽的に好きなのは70年代である。
71年もそうであるが、その頃に年間ベストアルバムを選ぼうなんて思ったら、名作が多過ぎて選びきれない。
そんな時代。
今ならベスト10に間違いなくセレクトするような名盤が10枚以上すぐ浮かんでしまうのだから。
それくらい、ハイレベルで衝撃的かつポップな音楽が量産されていた。
音楽ファンにとっては夢のような時代だったと思う。



激動の時代という背景があったからなのかもしれない。
でも今だって、70年代とは違う形だが明らかに世界は激動の時代へと入ってると思う。
ただ時代を反映するようなポップ・カルチャーが音楽だけではなくなっているのが現代。
またそれに加え、表現する手段は、ポップ・カルチャーだけでもないのだ。



なので昔の音楽シーンは良かったなぁ、それに比べ今は…
なんて考えているわけではない。
だがこのドキュメンタリー作品を観て、やはり凄いなこの頃の音楽シーンは、と強く感じるのは事実。
とはいえ、もしかしたら今も凄く時代を反映した、優れた重要な作品がたくさんリリースされているのかもしれない。
しかし、僕自身が歳を取ってしまったことでそのことを感じられなくなってしまっているのかも、と思わなくもない。
なんたって、ビリー・アイリッシュの良さがそんなに分からないのだから僕は(最新アルバムは結構好きではありますが)。



Apple TV +という、それ程多くの人が使ってるわけではない配信サービスだけれど、老いも若きも洋楽ファンなら是非観てほしいこのドキュメンタリー、オススメです。
1972年にリリースされるストーンズの超名盤『メインストリートのならず者』を、1971年にレコーディングされたということで大きく取り扱っているが、ちょっとそれはこじつけではと少し思ったけど。
だって、そうしちゃうと1971年にリリースされた作品には前年にレコーディングされたものもあるだろうから。
なので少し無理やりな感じを受けた。
ストーンズ・ファンなので、採りあげられているのは嬉しいけど。

それにしても、偉大なり1971年音楽シーン!

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