佐野元春@大阪城ホール 2021年4月4日

翌日にまん延防止等重点措置が適用されるコロナ禍の大阪。
訪れたのは、小雨降る大阪城ホール。
久々のライヴ参加だ。
マスク着用、声出し禁止、前後左右の席は空き。
これまでとは違うスタイルでのライヴ。
さて、どんなものになるのだろうか?
色々と音楽以外のことで感じることがありながらも、とても楽しみしていたこの日。
なんたって、佐野元春の40周年を記念するライヴなのだから。

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すでに東京では、佐野元春の誕生日でもある3月13日に日本武道館で行われた。
そして約一月後のこの日、『ヤァ!40年目の城ホール』と題された大阪城ホールでのライヴ。
前回観た佐野元春は、2018年のZEPPなんばでのライヴ

これは最高だった。
コヨーテバンドの魅力が大爆発したステージで、僕はかなり盛り上がってしまった。
今回はコヨーテバンドにDr.Kyonなどゲスト・ミュージシャンを加えた、THE COYOTE GRAND ROCKESTRA によるスペシャル・バンド。

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開演時間が迫ってくる。
場内にはスティーヴィー・ワンダーの「マイ・シェリー・アモール」が流れる。



そしていよいよ客電が消え、メンバーが登場。
コロナ対策のため通常より少ない観客の場内だが、声が出せない分拍手で喜びを表現する。

ステージは「ジュジュ」で始まった。
個人的な最初のハイライトは、5曲目の「ダウンタウン・ボーイ」から、「レインボー・イン・マイ・ソウル」、そして「ハートビート」という流れ。
泣いてしまった。

10曲目に歌われた、最新曲でもある「合言葉 - Save It for a Sunny Day」。
これもグッときた。
とても素敵な曲だと思う。
大好きだ。



中盤から後半にかけて、コヨーテバンドと作られた曲が続く。
40周年記念ライヴというとノスタルジックな匂い漂うが、そこは佐野元春、リアルな今のビートで表現していく。
終盤には80年代の曲が連発するが、コヨーテバンドのビートは現在進行形の音として響きわたっていた。

この日MCで佐野元春が、

「国はアテにならない!」

と言った。

これまで、そのような直接的な発言はしたことがなかった佐野元春なのに。

だが、それは恨み節とか批判というより、これからも表現者として自分の力で進んでいくという強い思いの表明かもしれない。

"beat goes on"

つまりはそういうことか。
そういうことだろう、僕たちに今出来ることは。

凄く良いライヴだった。
初めて佐野元春のライヴを観たのは、1984年の『VISITORS TOUR』だったが、この日もあの時のように響いた「NEW AGE」は力強かった。
ずっとファンでいて良かった思える、そんな素晴らしい夜だった。

風を縫って 雨を凌いで
心の旅路 続いてゆく

ゆっくり世界は息を吹き返す
その日を待って 希望を集める

save it for a sunny day

「合言葉 - Save It for a Sunny Day」作詞:佐野元春



2020年がそうだったように、2021年もまだまだ息苦しい世界は続いていく。
でも、こんな世界だからこそ、しっかりと地に足を付けて生きていかないとな。

"beat goes on"

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