テイラー・スウィフト 『evermore』

年末に書いた2020年ベストアルバムで、テイラー・スウィフトの『フォークロア』を1位に選び、『エヴァーモア』は選外にしたが、こちらも素敵な作品なのは間違いない。
ベストアルバム選出時は、正直まだ聴きこめてなかった。
だが今では、だいぶこのアルバムのことが好きになっている。
というわけで、今日は『エヴァーモア』について。



『フォークロア』が7月に突然リリースされたのと同様に、『エヴァーモア』も12月に突然のリリース。
超大物アーティストが前作から半年も経たないうちに、オリジナルの新作アルバムをリリースするとは。
テイラー・スウィフト曰く
”私たちは曲を作るのをやめられなかった”。
というわけで、アーロン・デスナー、ボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンなど前作の布陣による『フォークロア』との続編的な作品となっている。
また今作では、ハイムやザ・ナショナルにマム・フォード・アンド、サンズのマーカス・マムフォードも参加。



ロッキングオンのレビューで、今作を聴いて粉川しのが”焚火”をイメージしたと書いていたが、僕は焚火ではなく暖炉のイメージが浮かんだ。
どちらも似たようなものだが、暖炉は室内にあるので、より守られた安全な優しい温もりと言う風なイメージだ。

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粉川しのの指摘するように、心安らぐ穏やかな温もりの中にある、風に揺られ小さいながら激しく爆発する炎のようなものが、このアルバムの中にはあるとは思う(暖炉は野外の焚火のように風の影響がないからね)。
なのできっと彼女の視点は正しい(音楽の聴き方に正しいも正しくないもないと思うが、あえて書く)のだろう。
しかし僕はあえてそこには見てみぬふりで、穏やかな面持ちに騙されたい。
暖炉の日の前で、穏やかな気持ちで浸りたい。
そんなアルバムに感じていたい。
なんか今の気分はそんな感じなのだ。
テイラー・スウィフトのメラメラとした部分とは対峙したくない、今は。
それでも充分楽しめる、素敵なアルバム。
元気いっぱい希望もいっぱいな状況を作り出せたら、彼女の強いメラメラとした部分と向かい合いたいと思う。





テイラー・スウィフト『エヴェーモア』(amazon)

ところで今月号のロッキングオンは、デヴィッド・ボウイが亡くなってから5年ということで、彼の特集が組まれている。
表紙の、デヴィッド・ボウイが美しくカッコ良かったので、書店で立ち読みのつもりがついレジに持って行ってしまった。

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ロッキングオン2月号(amazon)

テイラー・スウィフトの『フォークロア』『エヴァーモア』は、どちらもとても素晴らしいアルバム。
これまで彼女を敬遠してきた人にも、是非聴いてもらいたいな。

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