佐野元春&ザ・コヨーテ・バンド 『MANIJU(マニジュ)』

佐野元春待望のニューアルバムが発売された。
アルバム・タイトルは、神秘的な力をもつ玉という意味を持つ”MAJIJU(マニジュ)”。
今作も『COYOTE』(2007年)、『ZOOYE』(2013年)、『BLOOD MOON』(2015年)に続きコヨーテバンドとともに制作された作品。
コヨーテバンドとともに活動するようになって、佐野元春は時代性を取り戻したと僕は思っている。
それまでの数年間は、表現を届けるという観点から見ると時代性を失っていたように僕は感じていた。
彼の音楽そのものはずっと素敵だったけど、それがちゃんと届くかどうかはまた別の話である。
その媒介として、コヨーテバンドは、佐野元春にとってとても必要な存在だったんだと『COYOTE』~『MANIJU』を聴いて強く思う。
コヨーテバンドとともに作った楽曲だけでライヴをやっても全然物足りなくはないのに、とライブに行くたびに思ったりもしている。




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佐野元春 & THE COYOTE BAND

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*初回限定盤には、NHK-BSで放送されたドキュメンタリー「佐野元春ニューヨーク旅 `Not Yet Free' 何が俺たちを狂わせるのか」の中で公開された新曲「こだま - アメリカと日本の友人に」が、無料ダウンロードできるパスキーが封入されている

コヨーテバンドの魅力それは、音の強度、これに尽きるのではないだろうか。

待ちに待ったニューアルバム、豪華なボックス・セット(ジャケットが素敵だ!)を開けワクワクしてプレイした。
オープニングの「白夜飛行」(この曲は10曲目の「夜間飛行」と対になっている)の親しみやすいメロディがスッと胸に入ってくる。
そしてすぐに気づく、放たれた音の強度に。
これは凄い!
その音が僕の胸に力強く響く。
歌詞と一体化して、突破していこうというポジティヴな空気を感じる。
追い風が背中に当たっているようでもある。
佐野元春とコヨーテバンドのタッグはアルバム毎にその強固な関係を強めている。




佐野元春は、今作は前作より若者に聴いてもらえるような作りになってると言っている。
前作が若者向けじゃないとは全然思えなかったんだが、それはきっと僕が若者じゃないからだろう。
ライヴ会場に行けばほとんどが同世代と思えるような人たち。
若い人にも佐野元春の音楽を聴いてほしいと思う。
充分若い人たちにもアピールできると思うんだけど、やはり若者じゃない僕の感じなんて信憑性がない。
若い人たちと僕たちの世代の音楽の感じ方の違いっていうのは、どういう部分なんだろうか、ちょっと気になる。

さぁ、次の楽しみはライヴだ!
やるよね、ツアー?
アルバムを何度も聴きながら、ツアー日程発表を楽しみに待とう。
できればそこで多くの若い世代の人たちと会えたらな、と思う。

この記事へのコメント

goldenblue
2017年07月29日 20:04
名盤さん、こんばんは。
ニューアルバム出てたんですね。思ったより早い、、、のでノーチェックでした。

コヨーテバンド以降、時代性を取り戻した、というのはまさにその通りですね。
今の時代にじゅうぶん通用する音だと思うんですが、、、
CD屋でよくある懐メロコーナーやニューミュージック・コーナーに佐野さんのアルバムがあると、とてもがっかりします。。。
2017年07月30日 16:10
どうも、こんにちは。

>CD屋でよくある懐メロコーナーやニューミュージック・コーナーに佐野さんのアルバムがあると、とてもがっかりします。。。

分かります、その気持ち。
違うのになぁ、バリバリ現役なのになと思っています。
サザンならそんなことないのに。
悔しい気持ちでもあります。

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