コモン 『BLACK AMERICA AGAIN』

コモンのアルバムは全部聴いたことあるんだけど、基本全部良い。
駄作は一枚もない!(多分全部聴いたことあると思うんだけど、実は抜けてるのあるかも?)
そして今作も御多分に漏れず、名盤である!!
もしかしたら中でも特に名盤かも。
と不確かな書き方をしているのは、正直特別熱心なファンというわけではないということ。
でも毎回アルバム出るたびに良いな、と思って聴いていることは確かである。
なんでこういう聴き方、というか付き合い方になっているのかは謎だけど。

それはさておき、この最新作『ブラック・アメリカ・アゲイン』は自信をもってオススメできる名盤である!
これは間違いのない事実。

中でも力強く響いてくるのが、スティーヴィー・ワンダーとコラボレーションしたアルバムタイトル曲。
この曲のミュージック・ビデオは、ルイジアナ州バトンルージュで7月5日に起きた黒人男性アルトン・スターリングさんが白人の警官に射殺されたショッキングな映像から始まる。
コモンのこの曲、そしてこのアルバムに込めた強い意思が感じられる。






スティーヴィー・ワンダーによるリフレインがグッとくる。

Black America AgainBlack America Again
Common

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丸腰の黒人が警官に射殺される事件が続いたり、ドナルド・トランプが大統領に立候補して以降マイノリティへの差別的と思われる発言が大きくなってきている現状が、今作の制作に大きな影響を与えたことは容易に想像できる。

のアルバム冒頭曲カッコいい!




メロウな曲なのだが、さて歌ってる内容はどんなんだろうか



以前からずっと思ってることだけど、言葉が分からずにヒップ・ホップ聴くのって違うよな~
サウンドやグルーヴ、そしてメロディ(歌の部分はもちろん、ラップにもメロディはあると思っている)だけで聴いてるんだよなぁ、結局。
でも言葉の意味は分からなくても、伝わってくる熱はある。
それこそが、表現者としての実力であるとも思ってるのだがどうだろうか?







ところでアメリカでは、白人至上主義的な色を感じさせるドナルド・トランプが次期大統領に決定し、またそのようなタイプの人間が政権入りしそうな状況となっているなか、11月12日ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(Governor Andrew Cuomo) は、大統領選挙後に全米各地で発生するマイノリティに対する攻撃行為を懸念し、マイノリティを保護すると緊急の表明を行った。

ニューヨーカーであるわれわれの哲学は、運動のなかでドナルド・トランプが唱えたものとは根本的に異なります。
As New Yorkers, we have fundamentally different philosophies than what Donald Trump laid out in his campaign.

ですからハッキリと述べておきます。是非知っておいてください。あなたが攻撃されていると感じたら、『自由の女神』を戴く港を持つわがニューヨーク州があなたを保護するということを。
So let me be absolutely clear: If anyone feels that they are under attack, I want them to know that the state of New York -- the state that has the Statue of Liberty in its harbor -- is their refuge.

https://logl.net/419

人種差別が後を絶たないアメリカであるが、大統領さえも公式に批判する州知事がいたりする。
これがアメリカであり、こういう部分のアメリカ文化に僕は憧れてしまう。
政府のいうことには逆らえないマスコミばかりの日本とは違う、民主主義の力強さを感じる。
もちろん、そうして戦っていかないとどうしようもないほど状況が悪化しているという現実があるんだろうけど。

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